傷跡(きずあと)
傷跡とは
日常、皆さんが遭遇する「きずのあと」です。通常、傷跡は傷が2週間以内に治るのであれば「傷跡は残らない」と言われています。2週間以上経過して治った傷は、傷跡が残る可能性が高いと言われています。
しかし、その限りでは無く、体質によっても傷の経過によっても傷跡が消えるもの、消えないものがあります。また大きさによって気になる傷跡、傷跡は小さくて細いのだけど気になっている傷跡など、残ってしまった「傷跡」は、みなさんに多いものだと経験しています。この傷跡は個々に残り方の差があります。
傷を受けた原因や衝撃、初期治療の方法や経過中の不具合で傷跡のひどさは変化します。
いくつかの種類を以下に示します。
しかし、その限りでは無く、体質によっても傷の経過によっても傷跡が消えるもの、消えないものがあります。また大きさによって気になる傷跡、傷跡は小さくて細いのだけど気になっている傷跡など、残ってしまった「傷跡」は、みなさんに多いものだと経験しています。この傷跡は個々に残り方の差があります。
傷を受けた原因や衝撃、初期治療の方法や経過中の不具合で傷跡のひどさは変化します。
いくつかの種類を以下に示します。
傷跡の種類
傷跡の種類(傷跡の程度による分類)
1. 成熟瘢痕
【ポイント】傷を負った後、赤みを増して固くなりますが、徐々に軽減していきます。
2. 肥厚性瘢痕
【ポイント】盛り上がった傷の跡です。数ヶ月~数年かかりますが6ヶ月を過ぎた後、徐々に引いていきます。赤み盛り上がりが成熟瘢痕より酷いです。
3. 真性ケロイド
【ポイント】傷跡が残ってなお治っていく気配がない。赤み、盛り上がり、かゆみが遺残し、数ヶ月~数年かけても変化がなく、更にケロイドが横方向に拡大し、もともと存在した傷跡を超えて拡がり、その症状が悪化する状態です。
4. 瘢痕拘縮(はんこんこうしゅく)
【ポイント】傷跡が引きつり、皮膚が引っ張られる(拘縮こうしゅく)状態です。
関節部、可動部に存在するとその動きが制限されることがあります。
関節部、可動部に存在するとその動きが制限されることがあります。
当院で治療可能な傷跡
受傷機転による分類
子供の引っかき傷
爪で引っかいた後の、線状の色素沈着や、陥凹(へこみ)変形として認められます。
日常生活で発生することが多く、多くは本人のスキンタイプ、肌質によって、色素沈着が起きやすいです。
皮膚科や小児科で相談しても様子を見るしかないことが多い傷跡です。レーザー治療や塗り薬の治療が可能です。
日常生活で発生することが多く、多くは本人のスキンタイプ、肌質によって、色素沈着が起きやすいです。
皮膚科や小児科で相談しても様子を見るしかないことが多い傷跡です。レーザー治療や塗り薬の治療が可能です。
虫刺され跡、ニキビ跡
手足や露出部分に炎症が起こった後に色素沈着・硬結が遺残してしまった状態です。
本人の肌質にて色素沈着が残りやすいことが多く、経年変化によりシミの状態になり、様々なコンプレックスにつながる症例があります。
本人の肌質にて色素沈着が残りやすいことが多く、経年変化によりシミの状態になり、様々なコンプレックスにつながる症例があります。
帝王切開の傷跡
帝王切開時の手術部位である下腹部は、ケロイドや肥厚性瘢痕の好発部位であり、特にケロイド(盛り上がった傷跡)が発生した場合、かゆみや醜形障害、痛み、酷い場合には感染を伴います。
やけど跡(重傷熱傷含む)
受傷したやけどの深さによりますが、深かった場合は創傷治癒に時間がかかり瘢痕として、ひきつれ、ケロイド、瘢痕拘縮などを引き起こします。関節部にまたがると、可動域制限の原因となったりします。
必要に応じて傷跡を修正する手術、レーザー治療、ステロイド局注などにより治療を行います。
必要に応じて傷跡を修正する手術、レーザー治療、ステロイド局注などにより治療を行います。
交通事故の傷跡
交通事故のあと多くの方は救急にて病院に搬送されたのち整形外科、リハビリ脳神経外科などで治療を行う方が大多数です。
また傷跡の程度は、様々な症状があります。
よって目立つ傷跡や事故による可動域制限については、治療が不充分のまま症状固定してしまうケースを多く患者様からお聞きします。
傷跡の専門である形成外科では、「いかに傷跡を目立たなくするか」を目的として診療しています。
傷跡の状態によっては、改善する治療の選択肢が残されていることがありますので、ご相談ください。
形成外科摘手術においてZ形成術、W形成術やレーザー治療による症状の改善が見込まれます。
また傷跡の程度は、様々な症状があります。
よって目立つ傷跡や事故による可動域制限については、治療が不充分のまま症状固定してしまうケースを多く患者様からお聞きします。
傷跡の専門である形成外科では、「いかに傷跡を目立たなくするか」を目的として診療しています。
傷跡の状態によっては、改善する治療の選択肢が残されていることがありますので、ご相談ください。
形成外科摘手術においてZ形成術、W形成術やレーザー治療による症状の改善が見込まれます。
犬にかまれた傷跡(咬傷)
動物(犬・ネコ・その他)にかまれた傷は、一般的な傷より目立つことが多く、唇や鼻などの形を司るランドマークとなる組織の欠損につながることがあります。
また、傷跡も赤みが強くなりやすく、肥厚性瘢痕やケロイドと言って、赤みが目立った盛り上りになることが多いです。
皮膚の一部がなくなる様な損傷が高度な場合は、専門的な処置が必要なことが多いです。
また、傷跡も赤みが強くなりやすく、肥厚性瘢痕やケロイドと言って、赤みが目立った盛り上りになることが多いです。
皮膚の一部がなくなる様な損傷が高度な場合は、専門的な処置が必要なことが多いです。
外傷性入れ墨・外傷性色素沈着
外傷を契機に、アスファルトの後や土などが皮膚の中に残ってしまい、刺青のようになっている状態です。
レーザー治療により多くの場合は改善します。保険診療内でレーザー治療が可能です。
レーザー治療により多くの場合は改善します。保険診療内でレーザー治療が可能です。
毛細血管拡張症
外傷を契機に傷跡が残ってしまい、6ヶ月経過しても赤みが薄くならない、直らない、血管が拡張した状態になることがあります。
受傷後、半年以上経過したのちに経過が残ってしまう症例や必要に応じて傷跡を修正する手術、レーザー治療、ステロイド軟膏の外用などの治療を行います。
受傷後、半年以上経過したのちに経過が残ってしまう症例や必要に応じて傷跡を修正する手術、レーザー治療、ステロイド軟膏の外用などの治療を行います。
肥厚性瘢痕
傷跡が深い場合や、盛り上がりができやすい部位の場合に、赤く盛り上がった傷となってしまいます。
痛みやかゆみを伴うことがありますが、ケロイドとは異なり傷の大きさを超えて増殖することはありません。
痛みやかゆみを伴うことがありますが、ケロイドとは異なり傷の大きさを超えて増殖することはありません。
ケロイド(真性ケロイド)
もともとの傷より大きく増殖し、赤く盛り上がり痛みやかゆみを伴うことが多いです。
日常生活に支障をきたしたり、見た目がコンプレックスになることがあります。
原因としては好発部位にあたる場所の傷であるか、遺伝的な要因もあります。
日常生活に支障をきたしたり、見た目がコンプレックスになることがあります。
原因としては好発部位にあたる場所の傷であるか、遺伝的な要因もあります。
当院の傷跡の治療
手術のあとの傷、事故のあとの傷、ひっかき傷や虫刺されあとなど様々な原因でできてしまった傷でも、一般的なクリニックで治療の相談した場合、改善につながる治療を提案してくれる医師・クリニックはなかなかお目にかかることは、まれです。しかし皆さんのご希望は、少しでも目立たなくしたい、治療したいという患者様が多くいらっしゃると日々の診察で感じています。
もう一つは他院で相談しても、キズの専門である形成外科にアクセスが簡単でないために、美容外科などの自費治療に受診してしまい、高額な手術を提案されるケースも見られます。
また傷を目立たなくするという趣旨のクリームを薬局で購入して使用するケースもあります。しかし効果は疑問です。
治療の適正な提案をする、治療費をある程度抑え達量を提案する、これらを考えながら、傷跡の状態によっては保険適応での手術や皮膚レーザー照射を患部に行い、症状が改善できる治療を提案することができます。
あきらめていた傷跡の治療結果が、改善の余地がまだまだあるかもしれません。
まずは専門医に一度ご相談ください。
もう一つは他院で相談しても、キズの専門である形成外科にアクセスが簡単でないために、美容外科などの自費治療に受診してしまい、高額な手術を提案されるケースも見られます。
また傷を目立たなくするという趣旨のクリームを薬局で購入して使用するケースもあります。しかし効果は疑問です。
治療の適正な提案をする、治療費をある程度抑え達量を提案する、これらを考えながら、傷跡の状態によっては保険適応での手術や皮膚レーザー照射を患部に行い、症状が改善できる治療を提案することができます。
あきらめていた傷跡の治療結果が、改善の余地がまだまだあるかもしれません。
まずは専門医に一度ご相談ください。
当院の傷跡治療の流れ
診察にて現状の傷の状態を把握します。 受傷から何年たっているのか?引きつれ、色、盛り上がりなどを総合的に検討して、最適な治療を提案させていただきます。 |
保存治療の手順
時間経過をみてレーザー治療や手術療法を検討します。
レーザー治療の手順
2回目以降ご自宅から痛み止めを貼って来院していただけます。麻酔の待ち時間はございません。
手術の手順
また術後の安静やご本人のお仕事のご予定、お子さまの年齢など社会的なことも考慮して時期を決定します。 術前に検査(採血など)を行います。 当日に手術治療を行うことはありません。 電話での手術予約を行うことはできません。当日、日時を決定しない場合は、後日検査を含めてご来院いただきます。 |
治療について
レーザー治療の場合
少し痛みがありますが、麻酔シール(ペンレスⓇ)などのおかげで、ほとんどの方は痛みがなく治療が完了します。
レーザーの場合、面積によりますが数分~7、8分程度で1回の治療は終了します。
レーザーの場合、面積によりますが数分~7、8分程度で1回の治療は終了します。
手術治療の場合
当日の手術後、翌日に再度お越しいただき、ガーゼ交換及び術後のチェックを行い、1~2週間後に抜糸を行います。
術後、半年間は傷の経過観察を継続します。
術後、半年間は傷の経過観察を継続します。
傷跡の治療開始時期
傷跡をなおすポイント
- 傷跡を負ってから何ヶ月、何年経っているか
- 傷跡の色
- 傷跡の形状、盛り上がり
- 傷跡の症状、痛み、ひきつれの有無
- いつまでに治したいか?いつまでに治したい
症例写真
施術名 | 外傷性色素沈着の治療 |
---|---|
施術の説明 | Qアレックスレーザ- |
施術の結果 | 傷跡の目立ちにくさの結果には個人差があります。 |
施術の副作用 (リスク) |
やけどの状態で水疱化、かさぶた、赤みの状態を生じます。皮膚にむくみが生じることがあります。紫斑が出ることがあります。炎症後色素沈着ができることがあります。 |
施術の料金 | 保険適応 |
施術名 | やけど跡の傷跡治療 |
---|---|
施術の説明 | Qアレックスレーザ-、色素レーザー |
施術の結果 | 傷跡の目立ちにくさの結果には個人差があります。 |
施術の副作用 (リスク) |
やけどの状態で水疱化、かさぶた、赤みの状態を生じます。皮膚にむくみが生じることがあります。紫斑が出ることがあります。炎症後色素沈着ができることがあります。 |
施術の料金 | 保険適応 |
施術名 | 外傷跡の保存治療および外傷性瘢痕の治療 |
---|---|
施術の説明 | フラクショナルレーザー |
施術の結果 | 傷跡の目立ちにくさの結果には個人差があります。 |
施術の副作用 (リスク) |
やけどの状態で水疱化、かさぶた、赤みの状態を生じます。皮膚にむくみが生じることがあります。紫斑が出ることがあります。炎症後色素沈着ができることがあります。 |
施術の料金 | 自費診療 |
治療料金
保険診療
皮膚レーザー治療 | Qスイッチレーザー 1部位 9,000円~12,700円 |
---|---|
手術 | 切除、拘縮形成術 9,800円~40,000円 皮膚移植 35,000円~70,000円 |
自費診療
フラクショナル レーザー (凸凹・ざらざらを改善のため) |
麻酔テープ1枚(5×3c㎡) 10,000円(税込11,000円) |
---|---|
皮膚レーザー治療 〈Qスイッチレーザー、Picoレーザー〉(色調改善のため) |
15×10c㎡ 単発1回 15,000円 (税込16,500円) 1回あたり 12,000円 (税込13,200円)×6回 |
※長久手本院のフラクショナルレーザー治療は、ISAクリニックをご紹介します。
※自由診療の場合は初回登録料3,300円(税込3,630円)、再登録料1,500円(税込1,650円)がかかります。
※料金は予告なく変更される場合がございますので、予めご了承ください。
リスク・副作用・合併症について
フラクショナルレーザー・Qスイッチレーザー・Picoレーザー
- やけどの状態で水疱化、かさぶた、赤みの状態を生じます。
- 皮膚にむくみが生じることがあります。
- 紫斑が出ることがあります。
- 炎症後色素沈着ができることがあります。
手術
- 出血、血腫、創離解、感染。
よくある質問
凹凸の傷の治療はできますか?
可能です。
フラクショナルレーザーを使用します。
ダーマペンよりも治療効果は高く、レーザー治療であるためダーマペンの様な針からの出血はありません。
数日、レーザーあとの赤みや腫れが出ますが、直後よりお化粧が可能です。よって赤みを充分に隠すことができます。
フラクショナルレーザーを使用します。
ダーマペンよりも治療効果は高く、レーザー治療であるためダーマペンの様な針からの出血はありません。
数日、レーザーあとの赤みや腫れが出ますが、直後よりお化粧が可能です。よって赤みを充分に隠すことができます。
傷跡は、ビタミン軟膏や保湿クリームを塗っていれば改善しますか?
いいえ、出来ないことが多いと思われます。
色調改善のためにハイドロキノン・レチノイン酸などであれば、軽度色素沈着が改善する可能性はあります。
副反応や合併症があるため、傷跡の大きな改善は、難しいと思われます。
色調改善のためにハイドロキノン・レチノイン酸などであれば、軽度色素沈着が改善する可能性はあります。
副反応や合併症があるため、傷跡の大きな改善は、難しいと思われます。
白い盛り上がりの傷跡治療はできますか?
可能です。
傷の幅によっては瘢痕形成手術のほうが改善の早い症例があります。
盛り上がりをレーザーで減量し、たくさんの経験上、目立たなくすることができそうです。
ただし、魔法のように消えてなくなるわけではないので盛り上がりや大きさ、見た目を目立たなくすることが目標です。
患者様と担当医師の間で何回かレーザー治療を繰り返して「きれいになったね」と外来でお話することが多いです。
傷の幅によっては瘢痕形成手術のほうが改善の早い症例があります。
盛り上がりをレーザーで減量し、たくさんの経験上、目立たなくすることができそうです。
ただし、魔法のように消えてなくなるわけではないので盛り上がりや大きさ、見た目を目立たなくすることが目標です。
患者様と担当医師の間で何回かレーザー治療を繰り返して「きれいになったね」と外来でお話することが多いです。
赤い傷跡は治療できますか?
可能です。
受傷直後は難しいですが、6ヶ月程度経過して傷跡が落ち着き成熟瘢痕となっていることが条件です。
赤みをレーザー治療で段階的に薄くしてゆくことは可能です。
受傷直後は難しいですが、6ヶ月程度経過して傷跡が落ち着き成熟瘢痕となっていることが条件です。
赤みをレーザー治療で段階的に薄くしてゆくことは可能です。
傷あとの色素沈着は治療可能ですか?
可能です。
症例によってハイドロキノンを使用したり、皮膚レーザー治療を行います。
保険適応となる症例もございます。ます診察にお越しください。
症例によってハイドロキノンを使用したり、皮膚レーザー治療を行います。
保険適応となる症例もございます。ます診察にお越しください。
傷跡の治療は保険適応でしょうか?
保険適応の治療と、自費治療の場合があります。
傷・傷跡の状態によって医師の判断となります。
保険診療の範囲でできること、保険では出来ないので自費診療になることを明確にお話しさせていただきます。
傷・傷跡の状態によって医師の判断となります。
保険診療の範囲でできること、保険では出来ないので自費診療になることを明確にお話しさせていただきます。
帝王切開の傷跡は治療可能でしょうか?
可能です。
帝王切開の部位はケロイドや肥厚性瘢痕になりやすい部位であるため、そちらをまず改善させます。
かゆい・固い傷跡を柔らかくするためステロイドのテープや注射を用います。
その後、適正な治療を検討すると満足度が高くなります。
帝王切開の部位はケロイドや肥厚性瘢痕になりやすい部位であるため、そちらをまず改善させます。
かゆい・固い傷跡を柔らかくするためステロイドのテープや注射を用います。
その後、適正な治療を検討すると満足度が高くなります。
リストカットの治療はできますか?
可能です。
自傷行為による傷の再発生はないことが条件になります。
最終イメージを患者様と相談して皮膚レーザー治療、瘢痕拘縮形成術、皮膚移植術などを視野に治療方法を検討します。
自傷行為による傷の再発生はないことが条件になります。
最終イメージを患者様と相談して皮膚レーザー治療、瘢痕拘縮形成術、皮膚移植術などを視野に治療方法を検討します。
(リスク)